夢速報

夏祭りの夜小学生たちが屋台を歩いているとき、驚くべきものに立ち会った。

彼らよりずっと小さな浴衣の華奢な男の子が、みんなの中に、いつのまにか紛れていた。
 
「ごめんね!」10歳の女の子がそういったのは、カランコロン下駄を鳴らしていた時に男の子は彼女の方を向いていて道を妨げていたから。
「もしかして知り合い?お前らの弟かなにかか?」歩く集団は5,6年生、しかし目の前にいたのはどう見ても小学校低学年生だ。雑踏の中、楽しそうに水色の浴衣を振る。
「なんだ?」「こんなやついたっけ」「いや…見覚えあるな」「こいつZ助じゃん!けどお前」
「ごめんね!!!でてきてごめん!!!でも!!!どうしても!!!」という小さな男の子の姿は流動する線で縁取られ、内側は半透明のゼラで構成されている。奥行きがなく、ペラペラとしている。
 
「おーう、来てたんか!」11歳の少年は彼と一番中が良かった。それでもなおひどい大根演技に恐怖を抑えこんでいた。
 
「(おばけだからきらわれる、こわがられる、きらわれないように、ここにきてはいけなかった…どうする)」男の子は悩んでいる。
 
勿論のこと、少年と二元の男の子の周りはしんとしてしまい、まわりは青ざめた表情をしている。
 
「おい、なにがおかしいんだよ」脂汗と恐怖を抑えるのに必死だ。
 
 
「(そうだ……)えいっ!」人も屋台もひたむきに走り抜け、男の子は全身をバネにして跳躍した。
 
 
 
 
そして男の子は、手を広げ仰向けに寝ている私の左中指に飛び乗った。それから胴体へと一目散に駆けてきた。身長もちょうど、私の中指一本程度であった。
 
「いなくなっちゃえばいいんだ♪」と、男の子は、まるでシュートされるサッカーボールがごとく私の腹部めがけて勢いよく潜り込み、私自身が壁に打ち付けられた。
 
そこで、わたしはハッと目を覚ました。身体は仰向けだった。ペラペラの男の子はどこにいったんだろう。